今回の練習問題のお題は「日本にスーツは何着あるか?」です。
難易度としてはそこまで難しい問題ではないと思います。
フェルミ推定について全然知らないという人は、以下の記事で解説しているので一度目を通したうえでこの記事を読むようにしてください。
筆者は社会人なのですが、仕事柄スーツを着る機会がほとんどなく、職種によっては昔ほどスーツ着用が必須の企業は少なくなってきているのではないでしょうか。
ただ、大学生であれば入学式や就職活動で着る機会があったり、社会人でも普段はスーツを着なくても、会社の全社納会や入社式などの、イベントの際には着用するためスーツを持っているという人も少なからずいると思います。
そんなスーツが日本に何着あるかについて、今回はフェルミ推定を行っていければと思います。
早速問題を解いていくので、まだ問題を解いていない人は、スクロールせずにこの画面のまま、まずは自分で解いてみましょう。
では解き終わった人からスクロールしてみて下さい。
前提条件について
スーツと言っても、個人で所有しているスーツもあれば、店舗が商品や在庫として抱えているスーツもあると思います。
今回は、個人が所有しているスーツという前提で考えていきます。
日本にあるスーツを数える上での計算式について
日本におけるスーツの総数をフェルミ推定で計算するには、以下のようなアプローチが考えられます。
スーツの数=日本の人口×スーツ保有率×1人当たりのスーツの平均保有数
それぞれの数値を算出することで、最終的に日本にあるスーツの数について算出できるかと思います。
日本の人口×スーツの保有率に関して
問題を解くにあたり、日本の人口×スーツの保有率を算出します。
スーツは日本人全員が保有しているものではなく、年代や職種で区切るといいのではないでしょうか。
今回は、職種で区切って日本のスーツの枚数を算出しようと思います。
スーツを持っているであろう職種について、以下のように考えられると思います。
・サラリーマン・OL(オフィスワーカー)
・大学生(就職活動を行う人々)
次に、それぞれのカテゴリーに存在する人口を推定します。
<サラリーマン・OL(オフィスワーカー)>
日本の労働者数は約6千万人とされるが、オフィスワーカーはそのうちの3分の1と仮定すると、2千万人。
<大学生>
大学生の人数は約300万人(仮の数)。
4年生の就職活動を行う学生は、大学生の1/4として、約75万人。
学生の数を算出する方法についてはここでは割愛しておりますが、
①日本の人口を1.2億人と仮定
②少子高齢化社会のため、∼20歳・21歳∼40歳・41歳∼60歳・61歳∼と4分割に区切った場合、人口比率を2:3:3:2とする。そして年代ごとの人口を算出
上記の計算を踏まえて、大学生の数であれば、浪人などを考慮しなければ入学時の18歳∼大学卒業の22歳(4年時卒業を想定)で年代ごとの人口×年代をかけ合わせれば算出できます。
フェルミ推定はあくまで推定になるので、どれだけ整値に近いかよりは、正しい算出ロジックを組んで算出できているかが大切になります。
1人当たりのスーツの平均保有数
次に1人当たりのスーツの平均保有数を算出します。
<サラリーマン・OL>
平均的に3着のスーツを持っていると仮定する(春夏用、秋冬用、予備・その他)。
<大学生>
就職活動のために1〜2着のスーツを持っていると仮定する。平均1.5着とする。
これらを踏まえて、最終的に以下のように算出できます。
<総数の計算>
サラリーマン・OL: 2千万人 × 3着 = 6千万着
大学生: 75万人 × 1.5着 = 112.5万着
合計: スーツの総数 = 6千万着 + 112.5万着 = 6,112.5万着(約6112万着)
これにより、フェルミ推定に基づくと、日本には約6112万着のスーツが存在すると推定されます。もちろん、これは多くの仮定に基づいているため、実際の数とは異なる可能性があります。
まとめ
ここまで日本にあるスーツの数について算出してきました。
フェルミ推定は、解いた後に友人や先輩に見てもらい、FBをもらうことが大事です。
今回は、スーツの保有者を個人かつ、サラリーマンと大学生に絞り算出してきましたが、他にも様々なアプローチが考えられると思います。
例えば、結婚式や成人式といったイベント用にスーツを持っているという人も多いと思います。
今回は大学生とサラリーマンに絞りましたが、スーツを保有している主体はそれだけではないと思うので、日本の成人(18歳以上)全体の50%がスーツを1着以上保有していると仮定して算出する方法もあると思います。
この場合は、日本の人口を各年代ごとに算出し、40代男性はサラリーマンの割合が多いだろう、20代男性はまだ学生もいるため、所有率に大きな差が出なくても平均所有数に大きな差分が出るだろうといった仮説をもとに、算出していくことでよりリアルな数字に近い答えを導き出すことができるのではないでしょうか。
このように、フェルミ推定を解いた後は「もっと他に解き方はなかったか?」や「このセグメントの分け方でよかったのか?」といった多面的思考・批判的思考の観点で振り返ると、より地頭力が鍛えられるので、ただ問題を解くだけではなくしっかりと反省して次に生かしてみて下さい。
コメント