大学生など、若者へのおすすめ書籍として色んな所で紹介されている本の一つとして今回紹介する「メモの魔力」が挙げられるのではないでしょうか。
「メモの魔力」は筆者が大学1年生だった2018年の12月に出版されているのですが、当時の若者の間では大ブームになったのを記憶しています。
出版から5年ほどたっている今でも、多くの若者の間で良著として扱われ、就職活動の自己分析の際など、おすすめの本としてよく取り上げられます。
今回はそんな「メモの魔力」を解説していきます。
本を買って読んでみようかなと思っている人も多いと思うので、参考にしてみて下さい。
メモの魔力を読んで欲しい人について
「メモの魔力」は、これから自分のキャリアを考え始めたり、現状をよりよくしたいと考えている人に特に読んで欲しいです。
メモについて書かれていますが、簡単に言うと”自分の人生をよりよくするためのメモの活用法・考え方”について書かれている本になるため、”講義中に取るメモを分かりやすく整理した状態でまとめれるようになりたい”といった悩みを解決したい・学びたいという人には向かないかもしれません。
メモの魔力の著者である前田祐二さんについて
前田祐二さんの事をすでに知っているという人も多いのではないでしょうか。
というのも起業家であるというだけでなく、地上波の朝の番組のコメンテーターなどでも活躍されているので、ビジネス界隈の人の中でもかなり世間的には知名度が高い方だと思います。
簡単に経歴を説明すると、早稲田大学卒業後に外資系投資銀行に入社。
その後、DeNAに入社し、ライブストリーミングサービス「SHOWROOM(ショールーム)」を立ち上げた後に、DeNAから分離独立する形でSHOWROOM株式会社の代表取締役に就任されています。
その後、「人生の勝算」という書籍や「メモの魔力」を出版したり、テレビにコメンテーターとして出演されるなど、幅広く活動をされています。
YouTubeもされていて、筆者はMr.Childrenが好きなので、以下の動画を見たのを記憶しています。
「メモの魔力」を読む前に知っておくべきこと
本の要約に入る前に、知っておきたい知識について説明します。
具体と抽象について
「具体と抽象」と聞いて、意味が理解できる人は読み飛ばしてもらって構いません。
(筆者が大学1年生の頃は、恥ずかしながら具体と抽象の意味が理解できず、本を読破できなかったという苦い経験があるので説明を入れます、、、笑)
「具体と抽象とは」で検索すると、以下の記事が表示されますが、具体とは「漠然として物事をはっきりとした形にすること」を指し、抽象とは「複数の情報に共通する要素を抜き出すこと」を意味するそうです。
もう少しかみ砕いて説明すると、具体は「漠然とした物事をはっきりとした形にすること」になるので、例えると、”スポーツ”という漠然とした物事を具体化すると、”野球”や”サッカー”、”バスケ”などになります。
「”スポーツ”をもっと具体化してください」と聞かれたら、「野球」とか「サッカー」とかが適切な回答になります。
抽象は「複数の情報に共通する要素を抜き出すこと」になるので、「野球」や「サッカー」といった複数の情報に共通する要素から「スポーツ」という共通する要素を抜き出すことになります。
「”野球”を抽象化してください」と聞かれたら、「スポーツ」とか「球技」とかが適切な回答になります。
なんとなくイメージはできたでしょうか。
具体の上の概念にあるものが抽象です。
「スポーツ」を具体化すると「野球」や「サッカー」
「野球」や「サッカー」を抽象化すると「スポーツ」になります。
これが実際にメモを取る場面でなぜ重要になるかというと、後述しますが、一つの起きた事象から自分の学びに昇華させるためのフローにおいて、抽象化・具体化が欠かせないからです。
このあたりの詳細は、また後程解説します。
「メモの魔力」で説明されているメモの極意
ここからは書籍の中で解説されているメモの極意について解説します。
もちろんすべては解説できないので一部要約にはなりますが、ぜひ参考にしてみて下さい。
メモの極意①:「ファクト→抽象化→転用」のプロセスで学びを昇華させる
メモを取る際は、実際に起きた事実であるファクトを抽象化し、他の事象に転用することで、一つの事実から他にも転用可能な学びを得ることが可能としています。
例えば
「スタバでドリンクを購入した際、カップにメッセージが書かれていて嬉しかった」というファクト
があったとします。
このファクトを抽象化すると
「一見すると非合理的なことが、他との差別化に繋がり喜んでもらえる」と抽象化できると思います。
(補足をすると、カフェでは、お店の回転率を上げる事が売上にも関わってくるため、業務を効率化していかにして接客速度を速めることができるかという視点は重要になると思いますが、あえて時間がかかるけどメッセージを書くことによってファンが増え、周りのカフェとの差別化になり中長期的な売上が増えていくんだろうな~と考えました)
これを転用すると「LINEやDMで全て完結できる時代に、あえて手紙でお礼を書くことで相手の印象に残り喜ばれるんじゃないか?」とかになります。
(筆者の友人で、好きな人と付き合う前にあえて手紙でお礼を伝えてた人もいたりして、恋愛上級者だなって思ったことがあります笑)
一つのファクト(事実)から、他でも通用する学びに昇華し、日常に転用していく。
これができるようになると、日々の学びが最大化され、仕事やプライベートの多くの場面で役に立ちます。
メモの極意②:アナロジー力とネーミング力の強化
アナロジーとは、異なる複数の事象から共通点を見つけ出し、他の課題に応用する思考法すことを指します。
筆者は社会人になってITコンサルをしているので、アナロジーを効かせろとよく言われます。
どういうことかというと、コンサルタントとして担当している他の案件でうまくいった施策事例を抽象化し、他の案件でも当てはめろということです。
先ほど出したスタバのメッセージの例なんかもそうですね。
「スタバでカップにメッセージを書かれて嬉しかった」というファクトを「一見すると非合理的なことが、他との差別化にも繋がり喜んでもらえる」と抽象かでき、これを好きな人からのプレゼントのお礼をあえて手紙で渡すという風に転用する。
この一連の流れをアナロジー思考とも言います。
ファクトに対して抽象化し、転用するというメモを取ることで、アナロジー思考が鍛えられ、一つの学びから多くの事を得ることができます。
また、抽象化が上手になると、異なる2つの事象の共通項を探すことが上手になります。
そうすることによって、一見無関係なものにも共通点を見つけることができ、そこによくハマる名前を付けるようなネーミング力もつきます
「メモの魔力」が自己分析にいいと言われている理由
大学生を中心に若者の間では、「メモの魔力」が自己分析にいいと言われていると聞いたことがあるという人が多いと思います。
なぜ自己分析に良いかというと、自分自身の過去の経験といったファクトを抽象化することで、自分の未来がどう在りたいかや、どういった組織で働きたいかなどが明確に理解できるからです。
自分の過去の経験で、嬉しかった事や辛かった事に共通することは何かを抽象化して洗い出すことで、自分が将来どんな働き方をしたいかなどが見えてくると思います。
ファクトを抽象化して転用化できるようになるまでは、慣れや経験、一定基準以上の論理的思考力が必要だと思いますが、これができるようになるとかなり人生が豊かになると思います。
また、巻末には得点として「自己分析1000問」がついているので、そちらもぜひ取り組んでみて下さい。
まとめ
ここまで「メモの魔力」についてまとめてきました。
個人的には、大学生や20代のビジネスパーソンといった若い世代に非常におすすめできる本だと思っています。
興味のある方はぜひ読んでみて下さい!
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